「祈り」テーマに芸術家7人展 東大寺観音院
2021年11月1日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
作家の志賀直哉ら文化人が奈良で結成した芸術家サロンの再興をめざす展覧会が、東大寺観音院(奈良市)で開かれている。「先行き不透明な時代に人々をつなぎ、安らげる場にしたい」と現代アート作家7人が「祈り」をテーマに作品を持ち寄った。
奈良では戦前から志賀直哉らを中心とする芸術家のサロンが形成された。戦後、その中から写真家の入江泰吉、画家の杉本健吉らが「七人会」を結成し、東大寺観音院を拠点とした。
今回の展覧会は当時のメンバーの1人の孫で彫刻家の水島太郎さんが「芸術家が切磋琢磨する空間をつくろう」と企画。参加した7人の中には、医師として働きながら創作活動を続ける作家もおり、展示も彫刻や絵画、装身具、映像作品などさまざま。
水島さんは「コロナ禍で文化、芸術は厳しい状況に置かれたが、ここから再興の風を吹かせたい」と話している。3日まで。入場無料。作品販売額の一部を東大寺福祉事業団に寄付するとしている。