十輪院の歴史と信仰紹介 元文研
2021年11月8日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

十輪院の理源大師聖宝坐像が展示されている会場=奈良市
奈良町とともに歩んできた古刹、十輪院(奈良市)の実態に迫る秋季特別展「ならまちの地蔵霊場十輪院の歴史と信仰」が、奈良市の元興寺法輪館で開かれている。仏像や出土遺物など78点を展示。元興寺文化財研究所の6年間にわたる文化財の調査・研究の成果報告となっている。14日まで。
十輪院は奈良時代に元興寺の一院として創建されたと伝わり、鎌倉時代には地蔵信仰の霊場となった。「地蔵石仏龕」(重文)などが知られているが、寺の歴史や文化財の位置づけが不明確だったため、同研究所が調査を続けてきた。
会場には、平安時代の真言宗の高僧、聖宝の肖像「理源大師聖宝坐像」(江戸時代)を展示しているほか、「誕生仏立像」(奈良時代)や「地蔵菩薩立像」(鎌倉時代)、納骨容器だった「常滑焼大甕」(平安時代)などが並び、十輪院の信仰と歴史について知ることができる。観覧料金は大人600円など。