AIで自動運転、観光案内 平城宮跡にロボットタクシー
2021年11月11日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

利用者を乗せて平城宮跡歴史公園を巡るロボットタクシー=奈良市
奈良市の平城宮跡歴史公園で観光ロボットタクシーの実証実験が行われている。人工知能(AI)を搭載しており、自動運転で観光ガイドもこなす。広大な宮跡で安全性などを検証し、観光客や高齢者らの新たな移動手段として実用化を目指す。
実証実験は、公園の魅力向上や奈良のスマートシティ構想実現に向けた「平城宮跡歴史公園スマートチャレンジ」の一環。国土交通省などが取り組んでおり、今年で3年目となる。東京や横浜市の民間企業3社が委託を受け共同で進めている。
ロボットタクシーは6人乗りで、全地球測位システム(GPS)も使用して自動運転される。利用したい場合は、公園内に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取り、時間や名前など基本情報を入力して予約する。予約時間になると公園の復原事業情報館前に配車される。
タクシーは時速5~10㌔で、第一次大極殿院正殿や整備中の南門周辺の約1㌔を15分かけて周遊する。障害物や人がカメラで確認された場合、自動的に停車する。AIの音声による観光案内も流れる。
技術開発を担うモピ(東京)の川手恭輔社長は「すでに中山間地域の移動困難者に向けた実証実験も公道で始まっている。(ロボットタクシーの)2年後の実用化に向け、精度を高めていきたい」と話している。
運行は今月の毎週土日曜の午前10時~午後3時。無料で乗車できる。