列車での無差別殺傷想定し訓練
2021年11月17日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

訓練で刃物を持った犯人役(中央)を取り囲む奈良署員ら=西ノ京駅
京王線特急で乗客が刃物で刺されたり、走行中の九州新幹線で座席が焼かれたり列車内での事件が相次いでいることを受け、奈良署と近畿日本鉄道は、奈良市の西ノ京駅で、無差別殺傷事件を想定した訓練を行った。
訓練は「刃物男がいる」との乗客の通報を受け、列車を同駅で停車させたところ、油の入ったペットボトルや刃物を持った男が降り、暴れているという想定で実施。乗務員が県警へ通報し、駆け付けた署員らが刺股や防護盾を使って改札付近で男を取り押さえるまでの一連の対応を確認した。
近鉄は列車内での事件を未然に防ごうと、社員による駅や列車内の巡回の頻度を上げるほか、車掌と運転士以外の乗務員の増員、列車内での啓発放送など警戒を強化している。
訓練終了後、奈良署の桶谷雅祥副署長は「電車内で不審者に遭遇したときは、すみやかにその場を離れて通報してほしい。訓練を積み重ねることが的確な対応につながる。今後も連携して訓練を行いたい」と話した。