電動カート、商店街をスイスイ 天理市
2021年12月13日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

商店街を走行する電動カート=天理市
天理市は、天理駅前のアーケード商店街で、高齢の買い物客らのために低速電動カートを運行する実証実験に取り組んでいる。地域の活性化につなげるのが狙い。実験は日まで行い、導入の可能性を検討する。
同市が駅前の商店街からの依頼を受け、国土交通省の「グリーンスローモビリティの活用検討に向けた実証調査支援事業」を活用して実施。電動カート2台を国が無償貸与した。環境への負荷が少なく、狭い路地での通行も可能だ。いずれも6人乗りで、運転手は事前講習を受けた商店街の店主らが務める。
商店街は延長約1㌔で緩やかな坂道。駅近くの天理本通り西側入口から赤テープやコーンでレーンを設置し、2台が連なって時速5㌔未満で走行する。安全確保のため組合員らが付き添う。途中には停留所が設けられ、乗車は何回でも無料だ。
天理三島本通商店街協同組合の石西輝行理事長は「買い物客が高齢化しているので普段は休憩できるベンチも設置するなど、気軽に買い物してもらえるよう知恵を絞っている。カートを商店街のにぎわいづくりにつなげたい」と話す。
衣料品店主の川端久代さん(75)は「シャッターを閉めたままの店舗も増え、寂しい限り。久々に明るい話題ですね」と期待を寄せた。
運行ダイヤは商店街組合のホームページで確認できる。