昭和の暮らしを伝える 小泉和子さんに水木十五堂賞
2021年12月15日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

小泉和子さん
歴史や文化資料の収集などで社会貢献した人を表彰する第10回「水木十五堂賞」に、昭和のくらし博物館(東京都大田区)館長、小泉和子さん(88)が選ばれた。同賞は大和郡山市ゆかりの収集家、水木要太郎(雅号・十五堂)の功績をたたえるもので、受賞について小泉さんは「庶民のくらしは一番残りにくいもの。このような仕事に目をとめてもらい、ありがたい」とコメントした。
小泉さんは元京都女子大教授で、専門は日本家具室内意匠史と生活史。昭和時代の家具や衣類、氷冷蔵庫、ままごと道具や羽子板などの玩具、教育用品など1万点以上を保有している。生家を「昭和のくらし博物館」として平成11年から公開。「母の家事も記録映画として流している。経済成長期以前の昭和の暮らしが、そっくり残っている」(小泉さん)。
これまでに全国の重要文化財建築物の家具・インテリアの復元も手がけており、「道具が語る生活史」(朝日選書)、「昭和台所なつかし図鑑」(平凡社)など著者も多数ある。
授賞式は来年2月13日午後1時半から、同市北郡山町の「DMG MORIやまと郡山城ホール」で開催。小泉さんの記念講演をはじめ、座談会なども行われる。参加申し込みは先着順で今月20日から受け付ける。定員240人。無料。問い合わせは市企画政策課(0743・53・1160)。

昭和のくらし博物館の茶の間=東京都大田区