橿原神宮・文華殿を公開へ
2021年12月28日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

素屋根の設置が終わり、今後、屋根瓦のふき替えも行われる文華殿=橿原神宮
橿原神宮(橿原市)は老朽化に伴い、昨年から6年計画で修理を行っている境内の重要文化財・文華殿(江戸時代後期)を報道関係者に公開した。
文華殿は天理市にあった柳本藩の武家屋敷。大書院と玄関で構成され、広さ約460平方㍍。天保年間に建てられ、明治時代以降は小学校の校舎として利用。保存のため昭和42年に橿原神宮に移築され、重文に指定された。
修理は県文化財保存事務所が担当。昨年、修理のための調査を実施し、実際の作業は今年9月から行っている。
修理では屋根瓦(約3万枚)の全面的なふき替えや、傷んだ建築部材の取り替えのほか、耐震性の強化も検討されている。
柳本藩は1万石の大名だが、織田信長につながる家系で、建物には格式の高さが感じられるという。藩主が座った「上段」(主室)なども残されている。
橿原神宮は来年4、5月に一般公開を計画している。総事業費は約9億9千万円。竣工は令和8年3月を予定している。