自宅まで送り迎え 宇陀市が「かぎろひバス」運行
2022年02月24日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

運行が始まった「かぎろひバス」=宇陀市役所
宇陀市は市南西部の大宇陀地域で、車を運転しない高齢者らを自宅まで送迎する新たなバスの運行を始めた。運転手は地域住民が務め、買い物や病院に行きやすいように運行ルートを設定している。市によると、こうしたバスの運行は県内では初めて。
バスは、市と2つのまちづくり協議会(大宇陀政始、上龍門地域)が共同で運行。両地区と市大宇陀地域事務所がある地域の中心部を、7人乗りのワゴン車が1日3往復する。万葉集に詠まれた大宇陀・阿騎野の夜明け前の光景にちなんで「かぎろひバス」と名付けた。
平日のみの予約制。協議会のメンバーが運転手を務め、両地区の利用者は自宅前で乗り降りできる。地域事務所のほかに道の駅や病院、スーパー、温泉施設などに停留所を設けた。一昨年から実証実験をし、昨年12月から本格運行に移行した。
市は、高齢者がバスを利用して出かける回数を増やすことで、健康寿命の向上につながることも期待しており「地域住民の要望を聞き、利用状況も見ながら変更を加えて、より良い交通をめざしていきたい」としている。