救急搬送先決まるまで一時待機 奈良市が酸素ステーション
2022年03月1日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

酸素ステーションの設備を確認する奈良市の仲川げん市長(左)と市医師会の国分清和会長=同市
新型コロナウイルス感染患者の救急搬送困難事案が増えていることから、奈良市は、搬送先が決まるまで一時的に酸素投与する「酸素ステーション」を開設した。主な対象は、保健所に発生届が出ているコロナ患者で、搬送まで2時間以上待機しているケース。当面の間、午前9時から午後5時まで運用する。
休日夜間応急診療所(同市柏木町)の隣の駐車場にコンテナ2台を設置。それぞれ酸素ボンベとベッドを置き、最大で4人に酸素投与する。血圧や血中酸素飽和度などを監視するモニター、自動体外式除細動器(AED)も備える。看護師2人が常駐し、医師はオンラインで対応する。
市消防局で搬送開始まで30分以上待機せざるを得なかったケースは、2月14~20日で計42件に上るという。仲川げん市長は「設置によって早く医療を受けたい人の不安を解消するとともに、命をつないでいくために酸素投与をしていきたい」と話した。