明日香村に「白亜のピラミッド」 牽牛子塚古墳を復元
2022年03月3日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

「古墳公園」の形で整備された牽牛子塚古墳=明日香村(同村教委提供)
世界遺産登録をめざす「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の目玉にしようと明日香村は、八角墳の牽牛子塚(けんごしづか)古墳の墳丘を復元した。八角墳の復元は全国初で、同時に周辺約1・2㌶を「古墳公園」として整備。遊歩道や展望広場を設けた。発掘調査で見つかった越塚御門(こしづかごもん)古墳の保護施設も整備した。
牽牛子塚古墳の墳丘は高さ約5㍍、対辺長約22㍍。飛鳥時代につくられた2つの墓室を持つ巨大な横口式石槨を覆う形で、コンクリートなどで墳丘の原形を製作し、その上に凝灰岩の切石約2500枚を貼り付けて装飾。近鉄飛鳥駅西側の丘陵上に「白亜のピラミッド」が出現した。
同古墳は斉明天皇と娘の間人(はしひと)皇女の墓とされ、整備前の発掘調査で、その南東側で確認された越塚御門古墳は、天皇の孫の大田皇女の墓と考えられる。
その遺構を保護するため今回、一辺約10㍍の覆屋を設置。内部はシアターとしても活用し、各古墳などを紹介する映像を上映する。
展望広場からは高松塚古墳や、文武天皇の墓とされる中尾山古墳などを望むことができ、西飛鳥地域のビュースポットとなる。牽牛子塚古墳の名前の由来となったアサガオを栽培する畑(約500平方㍍)もつくった。