国内外の200冊ずらり 奈良市に「絵本ホテル」
2022年03月7日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

世界中からあつめた絵本が並ぶホテルで、絵本を読んで過ごす親子=奈良市
ドアを開けると、ずらりと並べられた絵本。その数約200冊。絵を描けるホワイトボードの壁、星空のように光る天井など、子供が楽しく過ごせるよう工夫を凝らした「絵本ホテル」が、奈良市赤膚町にオープンした。
公務員宿舎だった建物を、奈良市の設備工事会社経営の四方充さんが4年前に購入。同級生で建築士の泥谷英明さんとともに活用方法を考えていたところ、四方さんの弟の実さんが海外の絵本を販売する「チェルビアット絵本店」を手がけていたことから、絵本ホテルのアイデアを思いついたという。
泥谷さんは「3人とも大好きな奈良に、多くの人が来てくれるきっかけになればと考えた」と話す。
キャッチフレーズは「子どもが主役の絵本ホテル」。3DKの間取りだった一室をリノベーションし、寝室やダイニングキッチンに絵本や児童書、小説計約200冊をそろえた。絵本はイタリア語を中心に英語やフランス語などもあり、「海外のことやジェンダー、環境問題についても知ってほしい」と実さん。
子供目線のホテルにするため、備品や内装にも工夫を凝らした。トイレには子供用の小さいドアを備え、洗面台も子供にちょうどいい低さに。電気を消すと星空のように光る天井、中心に空いた空間で絵本を読める本棚など、子供たちが喜ぶ仕掛けにあふれている。
新型コロナウイルス下でのオープンとなったが、宿泊は1日1組限定、入室時には利用客自身が暗証番号を入力して入室するなどの仕組みで、感染対策も徹底する。
泥谷さんは「子供たちの目線に合わせた。楽しい仕掛けや絵本を大人にも楽しんでほしい」、充さんは「絵本を通じて親子のコミュニケーションをとってほしい」と話している。
宿泊は1室4人利用時で約2万円(人数や時期で変動あり)。日帰り利用も可能。予約や問い合わせはホームページ(https://ehonhotel.jp/)から。