高松塚壁画発見50周年で記念シンポ 明日香村
2022年03月23日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
国宝・高松塚古墳壁画(明日香村)の発見50周年を記念するシンポジウムが、同村の万葉文化館で開かれた。阪南大の来村多加史教授(考古学)が記念講演し、被葬者は皇族で壁画は中国の墓室壁画によく見られる「出行」(旅立ち)を表現していると解説した。
来村氏は関西大出身で、日本と中国の文化交流などを研究。高松塚壁画のうちの東壁男子群像について、主人にさしかける蓋が開かれ、西壁男子群像を含めて、前に進もうとしている姿を表現した絵だと指摘した。
また、女子群像についても、つま先が前に向けられ、男子について行こうとしており、中国の墓室壁画(6世紀)にみられるような行列の出発を示す壁画と推理した。
来村氏は「唐の絵画の手法などを参考にしながら構図を決めたのだろう。楽しい行列だから色もカラフル。律令国家体制の整備が進んだ文武朝(7世紀末~8世紀初め)を象徴する絵画だ」と評価した。