王寺町に「まほろばオリーブ園」 新たな名産品に
2022年03月29日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

王寺町の平井康之町長からオリーブの冠で表彰される藤井恒二郎さん(中央)=同町
王寺町の町有地を活用したオリーブ畑の愛称が「まほろばオリーブ園」に決まった。同町南元町の丘陵地約2・5㌶で、約960本のオリーブを栽培。町はオリーブを特産品にしようと、産官学連携で栽培から商品開発まで取り組むプロジェクトを進めている。
愛称は昨年12月から今年1月まで募集。全国から397件の応募があり、国土交通省奈良国道事務所職員、藤井恒二郎さん(53)‖京都市南区‖の「まほろばオリーブ園」が選ばれた。
オリーブ畑近くで表彰式が行われ、藤井さんは「『まほろば』という言葉は、やまとの国という意味で、奈良と縁が深い。農作物が豊かに実る楽園、住みやすい場所という意味もある。選ばれて光栄だ」と話した。
オリーブ畑は、オリーブオイルなどの商品開発を手掛ける「ヤマトファーム」(同町)の池田興仁社長(63)が管理。平成29年秋に34本の苗木を植えて以降、その本数は年々増加し、昨年の収穫高は約500㌔だった。
池田さんは、これまで大阪産業大の学生らとともに、オリーブオイルを150㍉㍑入りで100本以上製造し、奈良市のホテルに試験的に使ってもらうなど商品開発を重ねている。今後、オイルや実を活用した商品の本格販売を目指す。
池田さんは、「王寺町は雨が少なく、(オリーブ産地の)小豆島のような気候。畑を活用したイベントの開催や、最高品質のオイル作りをしたい」と意欲を示している。