匿名寄付金で黒板、校旗を新調 奈良・春日中
2022年03月30日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

寄付金で購入した上下可動式黒板。後ろの席からも黒板の文字が見えやすくなった
昨年、匿名の男性から現金1千万円の寄付を受けた奈良市立春日中学校(同市西木辻町)は、寄付金のうち約400万円を使って上下可動式の黒板10枚を購入し、校旗を新調したと発表した。
昨年2月、同中学校に70代とみられる男性が訪れ「子供たちのために使ってください」と教職員に現金1千万円が入ったレジ袋を手渡した。近くの済美小と一条高にも同年代の男性がそれぞれ1千万円を渡して立ち去った。
市教委は、男性からのお金を寄付金として扱うことにし、同中は生徒や保護者、教職員、地域の人らと使い道を考える「春日中 テンミリオン・ドリーム・プロジェクト」を設立した。協議の結果、生徒からの要望の多かった上下可動式の黒板購入、刺繍がほつれて傷みの激しかった校旗の新調に充てることに決まった。
同中は、オンラインの全校集会で校旗をお披露目。生徒会長の2年、橋長芽生さんは「寄付をいただいたおかげで、学習環境がよくなりました。本当にありがとうございます」と男性に向けた感謝状を読み上げた。
残りの寄付金の使い道も、同プロジェクトチームで話し合って決めるという。