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錆の下から現れた「大和物」薙刀と槍 当麻寺で展示


室町時代の大和の刀工による作と判明した薙刀(手前)=葛城市の当麻寺中之坊


 葛城市の当麻寺で真っ黒にさびついた状態で発見された薙刀と槍が、室町時代の大和国(現在の奈良県)の刀工による「大和物」と判明し、同寺中之坊の霊宝殿で初公開されている。展示は5月8日まで。
 当麻寺別当(住職)の住房として奈良時代から受け継がれた中之坊。薙刀と槍は令和2年秋に宝蔵で発見。約1年をかけ、御所市の刀剣研師、大越明友氏が研いだ。その後、刀剣に詳しい大阪歴史博物館の内藤直子学芸員と刀剣研師の真津仁彰氏が調査し、いずれも室町時代の無銘の大和物と判明した。
 薙刀は反りが少なく、鎌倉~南北朝時代の伝統を引き継いだ造り。槍は、中世大和を支配した興福寺の槍などを生産した金房派の作の可能性がある。寺を守るための刀を作っていた「大和五派」の一つ、当麻派との関係が注目されるという。
 中之坊の松村實昭院主は「戦後に奉納された、華やかな刃文が美しい備前刀とともに室町時代の3振をそろって初公開しており、雰囲気の違いを見比べてほしい」と話している。
 拝観料は大人500円など。問い合わせは中之坊(0745・48・2001)。

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