郡山城跡に「番屋カフェ」オープン 天守一望に
2022年05月11日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

「雄大なお城の雰囲気を味わって」と話す番屋カフェの中村陽子店長=大和郡山市
郡山城(大和郡山市)の天守台を目の前に望む好立地に、カフェがオープンした。明治時代から城郭内にあった果樹園の管理人住居を改修した「番屋カフェ」。店長の中村陽子さんは「鳥のさえずりや豊かな自然、天守台の石垣を眺めて往時に思いをはせ、ゆったりとした時間を過ごしてほしい」と話している。
公益財団法人「郡山城史跡・柳沢文庫保存会」が、天守台のある本丸から極楽橋を渡ったあたりにカフェや遊歩道を整備した。
カフェとなった建物は、郡山藩最後の藩主、柳沢保申が住んだ武家屋敷の長屋門の一部。城郭のすぐ北側の同市植槻町に建っていたが、家督を継いだ柳沢保恵伯爵が明治時代に一部を現在の場所に移築し、番屋とした。
江戸時代の入母屋造で、切妻屋根と寄棟屋根を組み合わせた造り。同市の元市長、吉田泰一郎氏が居宅として借り、昭和44年から亡くなる平成10年まで住んだ。
空き家となっていたが、カフェにするため、土間を厨房に、和室をテーブル席3つの空間にリノベーション。天守台を望む屋外テラスにはテーブル席を9つ配置した。「御殿カレー」や季節のデザート、パフェなどが楽しめる。
このほか、昭和初期まで金魚養殖池があったとされる場所に、柳沢家の家紋をモチーフにした花菱型の遊歩道を設置するなどした。