春日・若宮神社 式年造替で修復作業
2022年06月1日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

本殿屋根の千木を取り外す作業員ら=奈良市
20年に1度の「式年造替」が行われている春日大社(奈良市)の摂社、若宮神社で日、素屋根に覆われた本殿(重要文化財)の修理作業が始まった。今後は檜皮屋根の葺き替えなどを行い、秋には「春日造」の本殿がよみがえる。
この日は、約2・4㍍の部材を交差させて屋根の両端を飾っている「千木」を取り外した。今後、屋根の葺き替えのほか朱や漆喰の塗り替えなどを行い、10月28日に仮殿に移っているご神体を戻す「本殿遷座祭」を営む。
本殿は幅約1・9㍍、奥行き約2・5㍍、高さ約5・8㍍。江戸時代末期の建築だが、平安時代後期の古式を伝え、国宝の本社本殿とともに神社の建築様式の一つである春日造の代表例として知られている。
春日大社の中野和正権禰宜は「伝統文化は人々の理解により支えられるので、文化財の大切さを伝えたい。朱色の御殿が復活する秋以降にはたくさんの人にお参りして頂きたい」と話している。