生きた証しカラフルに 上野和子さん個展
2022年06月14日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

作品を前に笑顔をみせる上野和子さん=奈良市
脳性まひで手足や言語に障害がある上野和子さん(71)=奈良市=の個展が「たんぽぽの家アートセンターHANA」(同市六条西)で開かれている。赤や青、オレンジなど鮮やかな色使いの個性あふれる作品が並んでいる。18日まで。
上野さんは筆をつけた靴を左足に履いて絵を描く。会場にはこうして描いた絵画点や、日々の思い出をつづった詩などを展示。上野さんの創作活動中の写真も並べている。
上野さんが絵を描き始めたのは障害者施設「ひまわりの家」に通い始めた歳ごろ。同じ障害を持ちながら朗読や絵画の制作に挑戦する人たちの姿に衝撃を受け「自分もやってみよう」と思い立った。
年間、創作活動を続けてきたのは「描いているときが一番楽しいから」と笑顔で話す上野さん。「後ろを見ても仕方がない」と前向きな姿勢でさまざまなことに挑戦してきた。ボランティアらの支援を得て1人暮らしも年間経験した。
月に1回程度のペースで絵に取り組み「足が動く限り続けたい」という。作品は、青空の中を走る鮮やかな黄色のキリンや、吹雪の中、母親を探しているオレンジ色のペンギンなど、明るくカラフル。「これは私が生きた証し。どうぞ見てほしい」とアピールしている。
入場無料。展示は午前時~午後5時。問い合わせは、たんぽぽの家アートセンターHANA(0742・43・7055)。