「飛鳥・藤原の宮」世界遺産登録目指し 推薦書素案
2022年06月21日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産登録を目指す県と橿原市、桜井市、明日香村による推進協議会は20日、推薦書の最終的な素案を承認した。29日にも文化庁に提出する。同資産群は世界遺産候補となる暫定リストに記載されており、政府による推薦決定を経て令和6年の登録を目指す。
協議会は「日本で初めて中央集権国家が誕生したことを示す比類のない資産の価値を打ち出せた」としている。
推薦書の素案は一昨年、初めて文化庁に提出したが、修正の指示を受けていた。協議会が練り直した最終素案では、前回「国家統治システム」とした表現を「中央集権体制」に変更するなど分かりやすくした。
「飛鳥・藤原」は6世紀末~8世紀初頭、東アジア諸国との交流により独自の宮都を形成した資産群。極彩色壁画が見つかった高松塚古墳やキトラ古墳(ともに明日香村)、天皇の宮殿跡である藤原宮跡(橿原市)など20の資産で構成され、平成19年に暫定リストに記載された。
この日、記者会見した協議会会長の荒井正吾知事は「素案の内容はだいぶ煮詰まり、分かりやすくなった。『飛鳥・藤原』が当時のグローバル化の中での大きな遺産であることを知ってほしい」と話した。