中将姫の祈り「貞享本當麻曼荼羅」展示 奈良国立博物館
2022年07月22日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

貞享本當麻曼荼羅=奈良市の奈良国立博物館
当麻寺(葛城市)の重要文化財「貞享本當麻曼荼羅」(江戸時代)の本格修理が完了し、奈良国立博物館(奈良市)で公開されている。特別展「中将姫と當麻曼荼羅|祈りが紡ぐ物語」で、伝説上の中将姫に関する史料と併せて展示している。8月28日まで。
貞享本當麻曼荼羅は、同寺の本尊で国宝の「綴織當麻曼荼羅」(8世紀)の最も精密で色鮮やかな写しで大きさは同じ約4㍍四方。平成30~令和2年度に行われた本格修理でより鮮やかになった。
綴織當麻曼荼羅は極楽浄土図を中心に経典の教えを表わした織物。奈良時代に貴族の娘、中将姫の祈りに応えて織られたと伝えられている。特別展では、同寺の「中将姫坐像」(室町時代)も展示している。
北澤菜月主任研究員は「貞享本は綴織當麻曼荼羅に何が表されていたかよく分かるので見て、その大きさも体感してほしい。伝説の中将姫についても知ってもらいたい」と話している。
月曜は休館だが、8月15日は開館。観覧料金は一般1600円など。