再出発テーマにミュージカル 上牧町・劇団ペガサス
2022年08月3日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

ミュージカル「花の記憶」で主演を務める平野友子さん(右から2人目)ら=上牧町
上牧町が町制50周年記念イベントとして、ミュージカル「花の記憶」を月に上演する。演じるのは同町が主宰する「劇団ペガサス」。活動を続けるのが困難だった時期を経ての公演となる。テーマは再出発で、劇団員らは「多くの人に楽しんでもらいたい」と意気込んでいる。
「花の記憶」は、プロのパフォーマーの夢をあきらめきれないシングルマザー、サヨが自らを見つめ直し一歩前へ踏み出す、というストーリー。勇気を伝えるミュージカルで、町の花であるササユリが重要な役どころで登場する。
同劇団は平成5年に結団し、同町のペガサスホールを中心に活動。しかし、町の財政健全化のために平成19年4月から27年8月末まで8年間にわたりホールが休館し、団員が次々に離れる、という不遇の時代もあった。今回の特別公演をきっかけに、第1期のメンバーが復帰し、新たなメンバーが加わるなど団員は10人近く増えて22人となった。
演出は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などのテーマパークアクターとして活躍し、ミュージカルの演技指導を行う奈良市在住の松岡ありささんが務める。「物語は再出発がテーマ。新型コロナで足を止めた多くの人に、何かを始めるきっかけにしてもらえたら」と松岡さんは話し、町を盛り上げる仕掛けも舞台にふんだんに取り入れる、という。
主演の平野友子さんは「新型コロナをきっかけに東京から故郷、上牧町に戻ってきた。町おこしになることがしたいと入団した。私にとっても故郷の暮らしはリスタート。多くの人に楽しんでもらえる舞台にしたい」と話す。
公演は11月6日、ペガサスホールで。チケット販売は9月1日から。全席指定500円。問い合わせは上牧町教委文化振興課(0745・78・9900)。