聖徳太子の思い ミュージカルに
2022年08月30日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

公演に向け稽古を続ける出演者ら(阪上めいこさん提供)
聖徳太子の没後1400年に合わせ、劇団「SHOW-COMPANY」(大阪府八尾市)が太子の生涯を描いた新作ミュージカルを10月9日になら100年会館(奈良市)で上演する。コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻により緊迫した国際情勢が続く中、太子の心を伝えることで希望を見出す作品にしたいという。
聖徳太子の本名は厩戸。飛鳥時代に推古天皇のもとで、「和」を重んじる十七条憲法の制定や遣隋使の派遣に関わり、法隆寺(斑鳩町)を建立するなど仏教の興隆にも尽くした。
同劇団はコロナ禍の影響でこの2年間、大規模な公演を自粛。苦境にあって文化芸術活動の再興を図るため、研究者の協力も得て太子を描く作品を制作した。
作品はミュージカルファンタジー『聖徳太子』。若くして権力争いの悲惨さを知った厩戸が、冠位十二階や十七条憲法に込めたメッセージなどを伝える内容で、伝説も交えて描く。音楽、ダンスとともにエネルギッシュな作品に仕上げたいという。
同劇団代表の阪上めいこさんは「聖徳太子は生きとし生けるものを救いたいと思った。今はコロナ禍やウクライナのことで傷を持っている人が多い。癒やしを与えることができれば」と話している。
前売り券はS席7500円、A席5500円、B席3500円。開演は午後2時。問い合わせは、なら100年会館(0742・34・0111)。