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紀伊半島豪雨11年 災害に備え「支援内容の周知を」


五條市大塔町宇井地区で発生した大規模な土砂崩落=平成23年9月(県提供)


 平成23年9月の紀伊半島豪雨から今年で11年。母と弟が犠牲になり、父親が行方不明となっている会社員の辻本員康さん(54)‖大和高田市‖は、今も母と弟の納骨を行うことができずにいる。「父の骨がみつかってから一緒に納めたい」。こう願う一方、「骨のひとかけらでも見つかるまで、父の死を受け入れられない気持ちもある」と明かす。
 11年前の9月3日。自宅の大和高田市から、実家がある五條市大塔町宇井地区の状況を気にしていた辻本さん。「そこまでひどい雨という感覚はなく、大丈夫だろうと思っていた」。しかし4日朝、安否を確認しする電話に応答はなかった。
 「宇井がえらいことになっている」「集会所が流された」。周囲からは、実家周辺が壊滅的な被害を受けているとの情報が次々と入ってきた。テレビを付けると、3人が行方不明との情報が目に飛び込んできた。
 7日に初めて宇井地区を訪れ、被害を目の当たりにした。集会所や民家など多くが流され、集落は様変わりしていた。「お前だけ、1人になってもうて…」。地元の人から声を掛けられ、現実を受け止めた。

川沿いのがれきの中から見つかったという母のお札。泥は当時のままだ


 9月の中旬に母の慶子さん(76)、下旬に弟の稔行さん(39)の遺体は見つかったが、晃夫さん(80)はいまだ見つかっていない。「踏ん切りが付かない所もある」。母と弟の遺骨は今も自宅に置いている。
 一方で、惨状を目の当たりにした後も現地に残る人を思い、「もっとつらい思いをしているはず」と気づかう。「その人たちに比べれば自分は外で悲しんでいるだけの『悲外者(ひがいしゃ)』。本当の辛さは分からない」と思いを巡らす。
 11年が過ぎ、災害の記憶は風化しつつある。「それも仕方がないこと」と理解を示す一方、「自分たちは絶対に忘れることはない」と強調する。
 紀伊半島豪雨以降も、各地で災害は発生している。辻本さんは被災者の負担軽減のため、行政が事前に支援内容を周知する重要性を指摘する。被災者には、損壊した家屋の被害認定や水に浸かった家具の処理、各種支援制度への申請など、やるべきことが次々に押し寄せるという。「被災者はその後も生活していかなければならない。少しでも被災者の負担軽減につながることを平時から考えてほしい」

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