高齢者お出かけに電動カート 王寺町が運行実験
2022年09月8日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
王寺町は、高齢者の外出を支援しようと同町美しケ丘地区で乗り合いの電動カートを運行している。来年1月までの実証実験で、外出の機会を増やし健康維持に役立つかなどを調べ、本格運行の可能性を探る。
同地区は高台にあり、住民約3600人のうち65歳以上の高齢者が半数近くを占める。高齢化率は町全体の約3割を大きく上回っており、買い物や通院などふだんの移動を支援することが課題だ。町は、高齢者の外出を増やすことは健康づくりにもつながると期待している。
実証実験は町と千葉大学予防医学センター、ヤマハ発動機などが連携して8月にスタート。時速20㌔未満で走る7人乗りの電動カート「グリーンスローモビリティ」を使っている。
運転は、講習を受けた自治会有志らが担当。地区内の3ルートを定時運行(月、水、金、土曜日の午前10時~午後1時と午後3~5時)しているほか、予約制のデマンド運行もある。
利用者数は1日平均25人で、自治会長の上平隆己さん(68)は「同乗者同士の会話も弾むなど、おおむね好意的な意見をいただいている」と話す。実際に利用した70代の女性は「とても楽。重い荷物も気にならない」と話していた。
ヤマハによると、平成26年から全国約120カ所で同様の実証実験が行われており、広島県や島根県などで本格導入されている。