バス運転免許取得へ特訓中 奈良交通、大川真由子さん
路線バスや観光バスを運転できる大型2種免許の取得へ向けて、奈良交通(奈良市)の総務人事部の大川真由子さん(25)が奮闘中だ。
奈良市出身で、同社のバスは子供の頃から身近な乗り物だった。ハンカチや靴下などオリジナルグッズの販売に力を入れるユニークな社風にひかれ、平成31年に入社した。
社内誌編集やメディア対応を行う広報を担当しているが今年2月、上司から大型2種免許の取得を提案された。狙いは女性のバス運転手を増やすことだ。
バス運転手は慢性的な人手不足な上、女性の数は圧倒的に少ない。同社では1037人中、女性は18人にとどまる。「若手の女性職員がバスを運転できるようになれば、注目される」と白羽の矢がたった。
「想像もつかず、ただただ驚いた」というが、「自分にとっても財産になる」と挑戦を決めた。
4月に同社直営の教習所へ入所。平日は通常業務をこなし、主に土日の週1回ペースで学科と技能教習に励む。
教習車は同社の路線バスだった車両で、全長11㍍、幅2・5㍍。乗用車とは感覚がまったく異なり、交差点やカーブは特に苦戦。先輩運転手のアドバイスを受け、時間を見つけては、消しゴムをバスに見立てて机上でもシミュレーションを重ねた。今では「大きなバスを動かす楽しさを感じるまでになった」。
10月中に教習所を卒業する見込みで、学科試験を経て、今年中には免許取得をしたいという。「自分の挑戦をSNSで発信し、バス運転手を目指す女性を後押ししたい。バス運転手が子供たちの憧れの職業になるような企画も考えたい」と意気込んでいる。