「御所まち」に懐かしくて新しいホテル 古民家や銭湯をリニューアル
2022年09月30日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

古民家の風情をいかした部屋
江戸時代の商家町としての面影を残す御所市の「御所まち」で、廃業した銭湯や店舗、古民家など4棟を改装した分散型ホテル「GOSE SENTO HOTEL」が10月26日に開業する。歴史ある町並みを生かして地域の活性化を目指す。
計画を進めてきたのは、歴史的建造物の活用事業を展開している「NOTE奈良」(奈良市)、地元の「油長酒造」とスキンケア用品の製造販売会社「フェニックス」の3社。ホテルは銭湯と2つの宿泊施設、レストランの計4棟で構成され、それぞれ徒歩で行き来できる。

昔ながらのタイル張りの浴槽を残す銭湯
銭湯は、大正時代に創業し平成20年に廃業した「宝湯」を改装。フィンランド式サウナや露天の水風呂を新設し、銭湯絵師に依頼して浴室の壁に葛城山の山並みを描いてもらった。ただ、浴槽のタイルや番台などは改装せず、往時の雰囲気を残した。NOTE奈良のエリアマネジャー、東川奈那子さんは「懐かしくて新しいがコンセプト」と説明する。
宿泊施設「RITA 御所まち」は、大正時代創業の万年筆会社の店舗を改装し、客室を4室用意した。かつての自転車店を改装した「宿チャリンコ」は、サイクリストのために自転車を自室に持ち込める仕様だ。このほか、たばこ店をリニューアルした「洋食屋ケムリ」では、地元食材を使った料理を提供する。