発見の熱気伝える105点 奈文研飛鳥資料館で高松塚特別展
2022年10月28日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

高松塚古墳の壁画模写や出土品などを紹介している特別展=明日香村
国宝・高松塚古墳の壁画発見から50年を記念し、出土品や発見当時に描かれた壁画の模写など105点を紹介する秋期特別展「飛鳥美人|高松塚古墳の魅力|」が奈良文化財研究所飛鳥資料館(明日香村)で開かれている。12月18日まで。
昭和47年3月に発見された同古墳の壁画は、学界に大きな衝撃を与えただけでなく、「飛鳥ブーム」「古代史ブーム」と呼ばれる社会現象を巻き起こすなど大きな反響を呼んだ。
展示では古墳から出土した「海獣葡萄鏡」や、発見直後に撮影した壁画をつなぎ合わせて壁面全体の様子を再現した実物大の複製壁画を紹介。また昭和48~49年に日本画家の前田青邨監修のもと平山郁夫らが手掛けた壁画の模写を13年ぶりに公開している。
壁画発見の翌年から累計1億2千万枚超を発行した記念切手や、佐藤栄作元首相が古墳を訪れたときの様子を記録した8㍉映像なども見ることができ、世紀の発見にわきたつ当時の世相をうかがうことができる。
同館の石橋茂登学芸室長は「50年前の熱気に触れてもらうとともに、どう壁画を守り伝えていくのかを考える機会にしてほしい」と話している。
開館時間は午前9時から午後4時半(入場は午後4時まで)。月曜休館。問い合わせは同館(0744・54・3561)。