庭園のルーツに迫る 橿考研で特別展
2022年11月14日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

展示されている古墳から奈良時代にかけての庭園遺構の出土品=橿原市の橿原考古学研究所付属博物館
国内最古の宮廷庭園跡とされる飛鳥京跡苑池(7世紀、明日香村)の出土品などを通じて日本庭園の成り立ちに迫る特別展「宮廷苑池の誕生―飛鳥京跡苑池から日本庭園へ」が、橿原考古学研究所付属博物館(橿原市)で開かれている。12月4日まで。
飛鳥京跡苑池は、南池と北池を中心とする国内最古級の宮廷庭園跡。同研究所は平成11年からの発掘調査で、巨大な水路遺構や祭祀施設などを確認している。
特別展では、飛鳥京跡苑池から出土した土器や石製品のほか、苑池の周辺に位置する酒船石遺跡で確認された亀形石槽のレプリカなど、古墳~奈良時代の遺物約430点を展示。
正倉院宝物の琴・琴柱の復元模造品や、奈良時代に伎楽で使われたとみられる仮面「迦楼羅」など、当時の宴の様子を想像させる展示品が並ぶほか、平城宮跡(奈良市)の苑池から出土したくぎのささった人形なども陳列され、世相を映し出す庭園の役割にもスポットがあてられている。
同館の青柳泰介学芸係長は「飛鳥京跡苑池の遺物を一堂に集めた。古墳時代から飛鳥・奈良時代にかけての日本の庭園の歴史を理解してもらう機会にしていただければ」と話している。
月曜休館。問い合わせは、同館(0744・24・1185)。