相撲発祥の葛城市 元横綱白鵬・宮城野親方が観光大使に
2023年02月28日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

葛城市観光大使に就任した宮城野親方=同市の新庄文化会館
令和3年に現役引退した元横綱白鵬の宮城野親方が、相撲発祥の地とされる葛城市の観光大使に就任した。同市の新庄文化会館で就任式があり、宮城野親方は「奈良から相撲の文化や魅力を世界に発信したい」と意気込みを語った。
日本書紀に、垂仁7年、天下一の豪傑、當麻蹶速(たいまのけはや)と野見宿禰(のみのすくね)が垂仁天皇の前で力比べをしたとの記録があり、これが相撲の起源とされている。當麻蹶速の生誕地である葛城市は、相撲発祥の地として知られる。
宮城野親方は、當麻蹶速ゆかりの「蹶速塚」(當麻)を参拝したあと、観光大使の就任式へ。同市の阿古和彦市長は「元大横綱に葛城市の魅力をアピールしてもらえるのは大変心強い」と話し、宮城野親方も「奈良から新弟子もスカウトし、育成できれば」と笑顔を見せた。式典には荒井正吾知事も出席し、「県とモンゴルの交流を促進したい」と述べた。
宮城野親方はモンゴル出身で、令和3年の秋場所後に引退するまで、大相撲史上最多となる45回の優勝を果たした。平成28年に市内で開催された「相撲サミットin葛城」に参加したほか、令和2年には市相撲館けはや座(當麻)の新土俵で四股を披露するなど、同市と交流を深めていた。