奈良にこだわる和食カフェ開店 CFで資金調達
2023年03月9日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

コンフィをオープンした落合広道さん(中央)ら=奈良市
奈良にほれ込んだ、という三重県出身の兄弟が昨年末、奈良市西寺林町に「和食カフェ&バーComfy(コンフィ)」をオープンした。クラウドファンディング(CF)で資金を調達し、開店にこぎつけた。食材だけでなく、内装も県産素材にこだわった。「観光客らに古都を感じてもらいたい」と話す。
店を立ち上げたのは、三重県四日市市出身の落合広道さん(34)と弟の誠さん(28)。カナダの飲食店で働いていた広道さんと東京都で不動産営業をしていた誠さんが、「一緒に何か楽しいことがしたい」と思いついたのが、飲食店だった。
選んだ場所は、広道さんが小学校の修学旅行で訪れたことがある奈良。落ち着いた雰囲気にひかれ、「海外からの観光客に古都が持つ和の風情を感じてほしい」と考えた。
新型コロナウイルス禍で飲食店を開くことへの不安もあった。奈良県内に人脈がない上、開業資金も足りなかったが、CFで支援を募った。県内の飲食店に足を運んではチラシを置いてもらい、そこで知り合った人たちにも呼び掛け、約2カ月で220万円を集めた。
料理長を務めるのは、広道さんの元仕事仲間で、料亭で働いていた福島千鶴さん(28)。御所市産の小松菜や橿原市内の養鶏場でとれた卵など県産食材にこだわり、自ら県内の直売所などを巡っていい食材を探すこともある。
店内のテーブルやカウンターは吉野杉を使って手作り。最近では海外からの観光客も来店するといい「今後はより全身で奈良を感じてもらえるよう、ゲストハウスも展開したい」と意気込む。