「あさがお塚」牽牛子塚古墳 国史跡100年で記念イベント 明日香村
2023年03月10日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

アサガオの種をつけた風船を空に放つ園児たち=明日香村の牽牛子塚古墳
飛鳥時代の女帝・斉明天皇の墓とされる明日香村の牽牛子塚古墳が、国史跡指定から100年を迎え、同村は記念イベントを開いた。古墳を含む「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界文化遺産登録へ向け機運を高めていきたい考えだ。
牽牛子塚古墳は、7世紀後半ごろの築造とされ、天皇陵に多くみられる八角形の外観が特徴。江戸時代には多角形の古墳であることが知られており、アサガオの花の形に似ていることから「あさがお塚」の別名もある。大正12年3月7日、国の史跡に指定された。
昨年3月、5年間にわたる復元整備工事が完了し、築造当時の姿がよみがえった牽牛子塚古墳。同村は世界遺産登録をめざす「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の目玉の一つに位置づける。
現地では7日、村立明日香幼稚園の園児32人が、あさがお塚」にちなんでアサガオの種と絵手紙をつけた約400個の自然素材の風船を、雲一つない青空に次々と飛ばした。同園の沖野詩織さん(6)は「風船をたくさん飛ばすことができて楽しかった」と笑顔で話した。
同古墳では国史跡指定100年を記念し、日までライトアップや夜間の石室特別公開(いずれも午後6~8時、無料)を実施。森川裕一村長は「これを機に牽牛子塚古墳が注目を集め、世界遺産登録にはずみをつけたい」と話している。