ワイルドにカラフルに行こう 上牧町の地場産業・雪駄に新風
2023年03月20日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
県の地場産業の雪駄を幅広い層に使ってもらおうと、上牧町の履物会社がアウトドア用の雪駄を開発した。滑りにくく耐水性にも優れており、町歩きのほかキャンプや水遊びにも向いているという。製造資金の一部を23日からクラウドファンディング(CF)で募る。
開発したのは、昭和38年創業の「丸宗」。令和2年まで卸売り中心だったが、仕入れ先の職人が高齢化で廃業したため、自社で製造できるよう、同3年から設備を整えた。
雪駄は鼻緒の内側の芯材や底板に紙を使っているため水に弱い。新たに開発したアウトドア雪駄は耐水性のある素材を用いた上で表面に防水加工を施した。また、登山靴のように底は滑りにくくし、クッション性を持たせた。
鼻緒にテント素材を使い、表を光沢のある黒で仕上げた「ワイルド」と、鮮やかなツートンカラーの「カラフル」の2タイプ。サイズはレディース、メンズともにM、Lサイズを用意する予定だ。
3代目社長の前田真一朗さんは「雪駄の用途が広がれば、伝統産業を守っていけるはず。多くの人に雪駄の良さを体感してもらいたい」と話す。
CFサイト「キャンプファイヤー」で23日から4月末まで資金を募る。目標金額は10万円。定価は1万6500円だが、出資者には早期割引で販売する。CF後は丸宗のサイトで購入可能。問い合わせは丸宗(0745・76・8833)。