EVバス運行開始 奈良交通
2023年05月8日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
奈良交通は、走行時に排ガスを出さないEV(電気自動車)バス2台を新たに導入し運行を開始した。同社によると、県内のバス路線でのEVバスの導入は初めて。土日祝は東大寺や若草山麓、JR奈良駅などを巡る「ぐるっとバス」の2ルートに、平日は近鉄郡山駅から奈良市の若草台を結ぶ「郡山若草台線」などで運行している。
従来の小型バスと同サイズで、乗車定員は29人。運行に先立ち行われた試乗会では、担当者がEV車の静かで揺れの少ない乗り心地を説明。車内の各所に設置されたUSBコンセントや、バリアフリー対応の床などを紹介した。1度の充電で約200㌔の走行が可能という。
価格は1台約2600万円で、国内でも多く導入されている中国メーカー「BYD」製。国や県の補助金を利用した。ただ、同社日本法人が2月、一部の部品に有害物質「六価クロム」を使用していたと発表し、奈良交通は当初予定していた2月25日からの運行を延期。部品交換完了後、3月21日から運行を開始した。
同社は今後、二酸化炭素の削減効果や災害時の非常用電源としての活用の可能性についても確かめる。担当者は「EVバスを運用しながら、環境に優しい公共交通のあり方を探っていきたい」としている。