架空請求詐欺の手口 動画で公開 県警
2023年05月17日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

県警が公開した動画の一場面
増加する架空請求詐欺の手口を知ってもらおうと県警生活安全企画課は、県内の40代男性の携帯電話にかかってきた特殊詐欺未遂犯との通話音声入り動画を作成した。約4分間で、県警公式ユーチューブチャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=e6wlfFCkz9Y)で公開している。
通話音声では、最初に自動音声が実在する金融会社をかたり、「利用中の電話回線に未納料金が発生している」とアナウンス。その後、「イシイ」と名乗る男が丁重に男性の名前や生年月日を確認し、「お客様の有料情報サイト『スノー』の利用料金が未納となっている。民事裁判の手続きが進んでおり、早急な対応が必要」と説明する。
男性が「どうすればいいのか」と尋ねると、電話の男は「料金を払えば裁判の停止が可能」と応じ違約金や遅延損害金など約万円を請求。男性が一旦電話を切ろうとして電話番号を尋ねると、通話が一方的に切られた。
不審に思った男性はその後県警に相談し、詐欺と分かった。被害防止に役立てるために通話音声を提供したという。
県警によると、今年に入って4月までの県内の特殊詐欺認知件数は77件(前年同期比18件増)で、被害総額は約1億9770万円(同約6580万円増)。このうち、金融機関などを名乗り架空料金を請求する詐欺の手口は最も多い33件、被害総額は約8960万円に上る。同課は「電話口でのお金の話は詐欺を疑ってほしい。動画公開が詐欺被害の防止につながれば」としている。