金魚すくいロボを開発 奥田英利さん(54)
世界でも例を見ない、金魚すくい専用のロボットを開発。インターネットを使って遠隔でも楽しめるシステムを構築した。定期的に開く体験会のほか、10月には操作の腕を競う「金魚すくいロボコン」を開催予定だ。「子供から大人まで、外国人も障害者も楽しめるのが魅力。世界大会も実施したい」と意気込む。
大和郡山市生まれ。インベーダーゲームなどの影響でプログラミングに興味を持ち、大学卒業後、レジスターのメーカーに就職。電子回路の基板設計やプログラミングに携わった。30年近く勤務した後、令和2年に独立。プログラミング教室を開講した。
当初は簡単なロボットを使った普通の教室を想定していたが、新型コロナウイルス禍で大和郡山名物の「全国金魚すくい選手権大会」が中止されることを知って「遠隔地からでも楽しめる、リモート金魚すくいを開発すれば面白そうだ」とひらめいた。
ただ、道のりは想像以上に険しかった。金魚をすくう道具「ポイ」をクレーンゲームのようにつり下げて操作する試作機は、金魚のすばしっこさに対応できず。モーターでアーム(腕)を動かすタイプでも遅かったり、強度が足りずに部品が壊れたり。滑らかな動作が可能なモーターや操作しやすいコントローラーを導入するなど改良を重ね、満足できる装置を作るまでに1年以上を要した。
パソコンやスマートフォンで遠隔操作できるシステムも開発。動作はワンテンポ遅れるが、体験会などで披露している。
目標は、ロボットでの金魚すくい体験を通じた大和郡山市の知名度アップと観光活性化だ。「遠隔でロボットを操作した人が市を訪れ、リアルの金魚すくいを楽しむなど、相乗効果を狙いたい」と語った。