「ローマの休日」オードリー・ヘプバーンのように サンダル新ブランド発信、大和高田
2023年06月2日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

「ヘップランド」の特製サンダルを販売するコーナー=大和高田市
オードリー・ヘプバーンが映画『ローマの休日』で履いていた「ヘップサンダル」で地場産業を盛り上げようと、新たな展示・販売施設が大和高田市にオープンした。川東履物商店の「ヘップランド」。オリジナルブランドの商品を並べ「奈良の履物の文化を、新感覚で発信したい」と意気込んでいる。
同店は昭和27年創業で、履物を作る生地や糊など関連資材の卸売りを中心に手掛けてきた。安価な外国製の履物が主流となる中、川東宗時代表が「良質な国産品をアピールしたい」とオリジナル商品の開発を検討。「ヘップサンダル」なら広い世代にアピールできると思い立ち、令和2年にサンダルのブランド「HEP」を立ち上げた。
甲の部分を合成皮革や本革で覆い、亀の甲羅のような形状に編み込んだ、シンプルで通気性のよいデザインをメインにし、靴底は軽くて柔らかい樹脂素材やウレタンを使用。新型コロナウイルス下でネット中心の販売を始めた。
アフターコロナも見据えて昨年春、「履き心地を直に試してもらいたい」と、敷地内に展示・販売スペースなどの新設を計画。クラウドファンディングで集まった約400万円の資金などで事務所を改装した。
販売コーナーのほか、来客がくつろいで試着し、おしゃべりもできるように畳敷きのスペースや喫茶コーナーも備えた。別棟の資材置き場には新商品をアピールするコーナーを設け、地元作家の創作展を催すギャラリーとしても活用する。
先月25、26日には内覧会を開催。訪れた愛知県岡崎市のセレクトショップ経営、浅井千香子さんは「町工場の中で新作を販売するアイデアが面白い」と話した。川東代表は「つっかけを履いてコンビニに行く感覚で、気軽に訪れてほしい。地域交流の場にもなれば」と期待を込めて話した。毎週月、水、金の午後1~5時営業。