入江泰吉写真展「息づく、大和」 奈良市で25日まで
2023年06月5日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
大和路の風景に魅せられた写真家、入江泰吉(1905~92年)の企画展「息づく、大和」が、奈良市写真美術館で開かれている。神々の気配が感じられる自然風景と、人々の生活感がにじむ日常風景の「遠近」の対比を楽しめる37点を展示。25日まで。
入江は昭和20年以降、半世紀にわたって古来の原風景が残る奈良を撮り続けた。企画展では里山の棚田が美しい「飛鳥大原の里初夏」や幻想的な山並みが広がる「吉野山雲海」、田園のそばで戯れる子供たちをとらえた「斑鳩の道」などの作品が並ぶ。
市写真美術館の説田晃大・学芸員は「大和路の風景に溶け込む歴史の気配を、入江作品から感じ取ってほしい」と話している。
同館では鳥取市出身の写真家、池本喜巳さん(79)が大判カメラで山陰地方の日常風景を追った作品展「記憶のとびら」も同時開催。
入場料500円(高校・大学生200円、中学生以下無料)。月曜休館。問い合わせは、市写真美術館(0742・22・9811)。