踏切事故防止へ点字ブロック 橿原市で体験会
2023年06月9日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

踏切内に設置された点字ブロックの感触を確かめる人たち=橿原市
視覚障害者向けの誘導用点字ブロックを設置した橿原市内の踏切で、国土交通省近畿地方整備局などが体験会を行った。参加者は足や白杖で確認し、国交省側に感触を伝えた。県視覚障害者福祉協会の辰巳寿啓会長は「踏切内への点字ブロック導入を奈良から全国に発信したい」と語った。
大和郡山市の近鉄線の踏切で昨年4月、目の不自由な女性が電車と接触して死亡した事故を受け、橿原市は今年5月に八木西口駅南側の踏切に点字ブロックを設置した。
視覚障害者団体などからの意見を反映し、点字ブロックのほかに踏切に沿って縦に凹凸のラインが入ったブロックを設けるなど、突起の形や配置を変化させることで踏切の範囲を示す工夫をこらした。
体験会には、県視覚障害者福祉協会や市障害者団体協議会のメンバーら12人が参加した。松木平初代さん(75)は「まだ慣れないので、一般の道路と踏切を区別することが難しかった」と話した。
踏切内の点字ブロック設置は、大和郡山市の事故現場や橿原市を含め県内では4カ所にとどまる。国交省や橿原市などは、当事者から寄せられた意見を参考にしながら設置箇所を増やすとしている。