写経勧進55年 薬師寺で記念式典
2023年06月28日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
薬師寺(奈良市)は27日、写経の納経料を伽藍復興の資金にあてる「写経勧進」が55年を迎えたことを記念し「お写経納経式」を行い、写経を納める様子を初めて公開した。
写経勧進は昭和43年6月27日に始まった。当時の管主、高田好胤師が「精神性を伴った伽藍復興を」と呼びかけた。51年に金堂の再建を実現し、その後、西塔や中門などを復興した。これまでの写経は800万巻超に及び、金堂や西塔、玄奘三蔵院、大講堂に納めている。
この日は、僧侶による読経などの後、祭壇に祭られた般若心経5万5000巻の一部が吊り上げられ、大講堂上層に納められた。加藤朝胤管主は「寺が再建できたのは写経された方々のおかげ。写経の一巻一巻に思いや願いが込められている」と話した。