ホテル入居の新庁舎争点、橿原市長選あす告示 現職新人の一騎打ちか
任期満了に伴う橿原市長選が18日告示される。現時点で3選を目指す現職の森下豊氏(57)と、新人で元県議の神田加津代氏(71)=自民、公明推薦=がいずれも無所属で立候補を予定し一騎打ちの様相。市が計画する近鉄大和八木駅南のホテルが入る新庁舎建設の是非が最大の争点となり、保守層を2分する激しい選挙戦が予想される。投開票は25日。
森下氏は元自民県議で平成17年の衆院選に民主から出馬し落選。19年の市長選には民主を離党して立候補し激戦の末、初当選した。
自身を「市民党」と名乗り、今回は市議24人中、自民や民主など15人の支援を受けているほか、市内の経済団体や県市長会、吉野郡町村会など約60団体からも推薦を受ける。
3期目を「2期8年の集大成」と位置付け、大和八木駅前のホテル建設は「中南和地域の活性化に重要」と力説。市政報告会を開催するなどこまめに動き、支持を呼びかけている。陣営関係者は「政策を丁寧に説明し、支持者を固めれば結果はおのずとついてくる」と自信を示す。
一方、挑戦者の神田氏は県議を4期務め今春に引退したが、公費によるホテル建設に疑問を持ち、立候補を決めた。「(当選すれば)違約金を払ってでも、計画を白紙に戻す。駅前の一等地には利益を出せる施設を誘致すべきだ」と訴える。
田野瀬太道衆院議員のほか亀田忠彦県議、公明市議らが支援にまわる。8月から約40回の集会をこなし、精力的に支持を呼びかける。今月11日に開いた決起集会には600人以上が集まった。
陣営関係者は「幅広く市民の声を聞くことのできる候補者。応援してくれる自治会関係者らも増えている」とし、保守市政奪還に向けて強い決意を示す。
欠員1の市議補選に3人が立候補準備
市長選と同時に市議補選(欠員1)も18日に告示され、3人が立候補を予定している。
市長選、市議補選とも届け出は18日午前8時半~午後5時に市役所で。投票は25日午前7時~午後8時、市内34カ所で行われ、午後9時から市中央体育館で即日開票される。9月2日現在の選挙人名簿登録者数は10万860人。
18日の告示を控え橿原市選管は市内235カ所にポスター掲示場を設置し、選挙への準備を整えるとともに、投票率をアップさせようと啓発活動に力を入れる。
近鉄大和八木駅北側の立体駐車場と市庁舎北館に投票日を示す横断幕などを掲示。市内12カ所に選挙用ののぼりを立てたり、タクシー会社の協力で市内を走るタクシーにも投票日を示すパネルを貼ったりして市民に投票を呼びかける。
平成23年の前回市長選の投票率は29・02%で、過去13回の選挙(無投票を除く)の中で最低だった
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