体全体で心の動き表現 手話劇団「空の旅団」
2023年08月30日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

ダイナミックな体の動きで登場人物の心象風景を表現する劇団員ら=天理市
県立ろう学校演劇部の卒業生らで結成した手話劇団「空の旅団」が、天理市文化センターで自主公演「銀河鉄道の夜」を開催した。手話でのせりふのやりとりや、音楽と照明で演出された幻想的な光景が、多くの観客を魅了した。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をベースに手話と字幕で物語を展開。劇団員らは体全体を使ったダイナミックな動きで「本当の幸せ」を求めて旅に出る登場人物らの心象風景を表現した。
空の旅団は令和3年4月結成。「翔け空へ 表言(ひょうげん)の壁はない」をモットーに掲げる。手話をより広く知ってもらおうと、演劇公演や手話パフォーマンス、SNS(交流サイト)などを通じた活動を行っている。
現在の団員は8人で、うち5人が同校演劇部の出身者。普段は仕事をしながら休日などを使って練習を重ねている。
同演劇部の元顧問で、劇団主宰者の綿井朋子さんは「演劇で手話の大切さを訴えていきたい。言葉が話せなくても、体全体で表現することで、多くのことを伝えられる」と強調した。