万葉のかれんな花 「思ひ草」ナンバンギセル咲く 明日香
2023年09月19日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

赤紫色の花をつけるナンバンギセル=明日香村
明日香村の国営飛鳥歴史公園石舞台地区で、万葉集にも詠まれたハマウツボ科の植物、ナンバンギセルがかれんな花を咲かせている。
ナンバンギセルはイネ科植物の根に寄生して成長する。花の形が南蛮人がもたらしたキセル(煙管)に似ていることからその名が付いたとされる。万葉集では首を垂れて物思いにふける様子に見えることから「思ひ草」として登場する。
石舞台地区内にある「あすか風舞台」近くに群生するススキの周囲を歩くと、根本にひっそりと赤紫色の花を開く姿を見ることができる。同公園飛鳥管理センターによると、9月いっぱいは花を楽しむことができるという。