奈良公園を掃除するのは? 「糞虫」学ぶ出前教室、奈良学園小で
2023年09月20日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

糞虫の標本を顕微鏡で観察する児童たち=奈良市
ならまち糞虫館(奈良市)の中村圭一館長が、奈良学園小学校(同)で奈良公園のコガネムシ(糞虫)について学ぶ出前教室を開いた。授業を受けたのは3年生44人。中村さんは、「公園がシカの糞まみれにならないのは、糞虫のおかげだ」と話した。
中村さんは、糞虫はシカの糞を食べて体内で分解し土に還していることを解説した。また、エジプトで神の化身とされミイラの副葬品になった「スカラベ」など、国内外のさまざまな糞虫について紹介した。
子供たちは、豆粒ほどの小さな糞虫の標本を顕微鏡で観察。岡田勝瑛さんは「シカの糞を食べる虫がいることが興味深かった」。上田麻衣さんは「コガネムシの種類は多く、身体に比べて頭が小さい。きれいな色のものがいるのも面白かった」と話した。
中村さんは「ある動物が絶滅すれば、その糞を食べる糞虫も絶滅してしまう。子供たちに糞虫を通して食物連鎖のサイクルに興味を持ってもらいたい」と話している。