県産食材使った創作うどん提供 「和(なごみ)製麺所」坂口正和さん
奈良特産の食材を使ったうどんを次々と創作。今月には、県産大豆「大鉄砲」で作った豆腐と奈良の伝統漢方「ヤマトトウキ」を使った「マーボー富うどん」を発表した。「食で奈良を盛り上げたい」と地元への思いを語る。
小中高と奈良市で過ごした。高校生のときにホテルの厨房でアルバイトをし、次々とおいしい料理を仕上げるシェフに憧れを抱いた。料理専門学校で学んだ後、東京の日本料理店で約6年間修業。その後、大手うどんチェーンに就職し、店舗運営などを任される中で、うどんにほれ込んだ。
「小麦粉の産地によってコシや香りが違うし、同じ小麦粉でも生地の練り方や寝かす時間、温度や湿度で風味や食感が変わるのに奥深さを感じた」
地元に帰り40歳となった平成31年に開店。特徴の異なる国産の小麦粉をブレンドして低温で長時間寝かせたり、複数の昆布や雑節、カツオ節でだしを取ったりして、自分らしい味を追求してきた。
創作うどんは、アルバイトの奈良女子大の学生が、県産食材を使ったメニュー開発を行う大学内の団体「奈良の食プロジェクト」に参加していたことがきっかけ。昨春、新型コロナウイルス禍で元気のない飲食業を盛り上げようと思っていたところ、学生がメニューの考案を持ちかけた。
第1弾は、奈良の伝統野菜、大和まなを練り込んだ麺に、県産食材の天ぷらなどを付けた「奈良満点つけうどん」。続いて県産オクラやナメコを使用した「ねばとろぶっかけうどん」を考案。今回発表した「マーボー富うどん」は、夏バテがしやすい時期にスタミナを付けてもらおうという思いを込めた。
富うどんは今月末で終了だが、11月をめどに冬メニューの発表を考えている。「県産の鴨やゴボウを使ったメニューや、スイーツにも挑戦したい」と意気込みを語った。