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元力士のちゃんこ料理人、森本竜司さん(30)



 元横綱・白鵬関の宮城野親方がプロデュースし、今年9月に葛城市内にオープンしたちゃんこ鍋店「ダイニングHAKUHO」で、腕を振るう。自身も元力士で、しこ名は「白海竜」。「部屋直伝の料理を多くの人に食べてもらいたい」と目を細める。
 淡路島出身。小学4年生のときに地元の相撲クラブに入り、中学卒業後は力士を目指して宮城野部屋へ。12歳のときに若年性糖尿病を発症していたが、食事の前にインスリンを打ちながら土俵に立ち、稽古にいそしんだ。
 部屋での生活は苦しくも楽しかったが、食べ物の差し入れが多く、体調のコントロールが困難になった。4年前、「身体のためにも別の道を探したほうがいい」と宮城野親方に勧められ、平成31年1月に引退。その後いったん介護の道に進んだものの、得意の料理で身を立てたいと一念発起した。
 部屋では率先してちゃんこ番をすることも多かったが、作っていたのは鍋料理がほとんど。「将来自分の店を持つために小皿や一品料理の技を身につけたい」と和歌山県内の居酒屋で3年間修業した。
 「そろそろ自分の店を」と考えていたところ、葛城市から「相撲発祥の地であるのに、ちゃんこ料理を味わえる店がない」と新店舗の依頼を受けた宮城野親方に、指名を受けた。
 店がある同市寺口は葛城山のふもとにある自然豊かな地。「稲穂が揺れる姿を見ていると、とても心安らぐ」。地域の人も「応援してるよ」と来店することも増えているという。

 鍋と突き出しの序二段コース2200円、十両コース3850円、幕内コース5500円など(いずれも税込み)。十両コース以上は要予約。だし巻き卵もおすすめ。不定休。午後5時半~10時(ラストオーダーは午後9時半)。葛城市寺口354、(070・9050・3734)。

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