亀の甲羅? 古代の陶棺ずらり 奈良市埋文センターで特別展
2023年10月30日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

独特な形状の古代の陶棺が並ぶ特別展=奈良市
亀の甲羅のような形状をした古代の棺「亀甲形陶棺」を集めた秋季特別展が、奈良市大安寺西の市埋蔵文化財調査センターで開かれている。担当者は「多くの陶棺が並ぶ様子は壮観。芸術作品のような意匠にも注目してほしい」と話している。12月1日まで。
同センターによると、亀甲形陶棺は古墳時代後期から飛鳥時代にかけて作られた。古代の棺は主に木や石で作られていたが、陶棺は粘土で焼き上げられている。近畿地方と岡山県内に分布が集中しており、奈良市内では北西部の丘陵エリアの遺跡からの出土例が多い。
今回の特別展では、埴輪作りに従事した古代豪族・土師氏の墓域とされる同市西大寺赤田町の赤田横穴墓群(6世紀後半~7世紀中頃)から出土した陶棺を中心に展示している。初期は全長2㍍を超え亀の甲羅のようなデザインを施したものもあったが、後期は全長1~1・2㍍で突起のないつるりとした表面が特徴だ。
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入場無料で、午前9時~午後5時。11月は土日休館で祝日(3、23日)は開館。問い合わせは、同センター(0742・33・1821)。