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「着物ドレス」魅力を日常へ、世界へ デザイナーの釜谷春菜さん 桜井市


昨年11月に奈良市で開かれた個展。打掛や留袖をリメイクした作品が並ぶ

 奈良県桜井市内の工房「工房 針。アトリエはりー」で、着物の伝統的な柄や鮮やかな色彩を生かしてドレスに仕立て直す「着物ドレス」を手がける釜谷春菜さん(37)。昨年はカナダで開かれた若手デザイナーの登竜門「バンクーバーファッションウイーク2024春夏」に出品し、多くの反響を得た。「着物の魅力をもっと発信したい」。そんな思いを胸に、7月にフランスで開催される「ジャパン・エキスポ」に向けて出展作品を制作中だ。(木村郁子)
 工房には、男性用の襦袢や訪問着や留袖、喪服、帯がずらりと並ぶ。型紙をおこした後に生地をあてて、着物ならではの柄が生きるように試行錯誤を繰り返す。できあがるのは、ギャザーやダーツを用いたふんわりとしたシルエットが特徴的な華やかなドレスの数々。「せっかく私の手元にやってきたのだから、着物を生き返らせてあげたい」と力を込める。
 兵庫県加古川市出身。大阪モード学園(大阪市)でファッションデザインを学んだあと、アパレルショップの販売員やハンバーガー店経営などさまざまな職種を体験した。
 転機は、平成年にリサイクルショップでシミのある着物を500円ほどで購入したことだ。シミ部分を避けてワンピースに仕立てて着用すると、友人たちから好評を得た。「シミが一滴ついているだけで安く売られる着物が不憫で仕方がなかった」と振り返る。
 着物は織りや染め、豪華な錦糸などが施され、職人の技術が凝縮されているが、現代では着る人が少ない。ドレスやシャツなどに仕立てれば、若い人でも着てくれる人もいるのではないか|。そう考え、「和装文化を継承する役に立ちたい」と着物ドレスデザイナーの道へ。令和2年に桜井市に転居し、中古品売買を取り扱う古物商許可も取得した上で、アトリエをオープンした。
 着物は糸をほどくと幅約36㌢の長方形の布になる。通常洋服に仕立てる布の幅は110㌢~140㌢で4倍もの差がある。「柄を生かして型紙を合わせて裁断するのには特に気を遣う」と話す。
 主にリサイクルショップで着物を入手しているが、近頃は家族の形見の着物などを持ち込む客も増えた。「思いが詰まった大切な着物や帯を信用して預けてくださる。失敗は許されない」。そう言って着物を扱う表情は真剣そのものだ。
 最近は活躍の場を広げ、昨年10月中旬にカナダで開催された「バンクーバーファッションウイーク2024春夏」では、豪華な打掛やあでやかな振袖を使ったドレスなど12作品を発表。「ゴージャスだ」「プリンセスのようだ」などと評価が高かったという。
 現在はオーダーを受けたドレスの制作に加えて、今夏にフランスで開催されるジャパン・エキスポに出展する作品に取り組む日々だ。
 「和装は世界に誇る日本の文化。私の作品を通して、家で眠っている着物に少しでも目を向け、袖を通すきっかけになってほしい」と釜谷さん。「華やかな着物は特別な日に向けたドレスに向いていますが、普段でも着られるようなカジュアルなワンピースなども発表していきたい」と創作意欲はつきない。

生地を裁断する釜谷さん

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