室町文化の発展に尽くした能阿弥の顕彰碑 桜井・長谷寺に建立
2024年03月22日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
書画や連歌に優れ、室町時代に足利将軍家の側近として美術品の鑑定などを担った能阿弥(1397~1471年)の顕彰碑が奈良県桜井市の長谷寺に建立され、除幕式が19日行われた。
能阿弥は足利義教から義政までの将軍に仕え、水墨画や連歌をはじめ、茶の湯にも秀でた才能を発揮し、室町文化の発展に力を尽くした。晩年は長谷寺で過ごした末に死去したが、墓などは知られていないという。
能阿弥を長年研究する茶道の武者小路千家家元後嗣の千宗屋さんと同寺が、能阿弥の功績をたたえようと顕彰碑(縦約2㍍、横約1㍍)を建立。高松市の庵治石が用いられ、能阿弥が晩年に描いた「蓮図」(国重要文化財)の写しが銅板として顕彰碑にはめ込まれている。
千宗屋さんは「絵画や和歌、茶道などの日本文化は能阿弥なくして語り得ないと言えるほど。顕彰碑によって、能阿弥に心を寄せる場ができたことは大変喜ばしい」と話した。