「ガザの惨状に関心持って」 県ユニセフ協会の写真展でカメラマンのマクファーレンさん訴え
イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザに焦点を当てた写真展が、奈良市の奈良公園バスターミナル・展示室で開かれた。会場では出展者によるギャラリートークも催され、写真家のジム・マクファーレンさん(69)が「ガザの惨状に関心を持ってほしい」と訴えた。
写真展は「ガザでの10日間」と題し、県ユニセフ協会が開催。マクファーレンさんら国際的に活躍する4人の写真家が2010年、ガザへ入った際に撮影した32点を、18日から22日まで展示した。
このうち16点はモノクロ写真で、子供たちの日常を中心に現地の状況を切り取った作品が並ぶ。また、8点のカラー写真はいずれも戦闘の被害者がレンズに背を向けた構図で、抗議の意思表示という。このほか、万華鏡を通して見たモノクロ写真で、戦争が与える混乱を表現した合成作品8点も目を引く。
ギャラリートークで、マクファーレンさんは子供たちを捉えた写真を紹介しながら「子供の未来を奪う行為は虐殺と同じ」と強調。また、街の荒廃ぶりを写した一枚を示し、「こうした風景は今や全土に広がり、当時よりもはるかにひどい状況だ。緊張が解ければすぐにでも再びガザへ行きたい」と話した。
会場を訪れた奈良県桜井市の堀内輝子さん(86)は「ガザの子供たちの姿は、戦時中の自分とだぶって涙が止まらない。戦争はむごい」と話していた。
26~31日には、奈良市の県立図書情報館でも同展が開かれる。いずれも入場無料。