ミゼット2台を共同でレストア 奈良ダイハツから奈良トヨタ「まほろばミュージアム」まで快走
昭和30~40年代に一世を風靡したダイハツ工業の軽オート三輪「ミゼット」2台を、奈良トヨタグループと奈良ダイハツが共同でレストアした。完成披露イベントも開かれ、往時の輝きを取り戻したレトロな車両が、奈良ダイハツ本社(奈良市南京終町)から奈良トヨタの自動車博物館「まほろばミュージアム」(同市八条)まで軽快に走行した。
レストアは、劣化の激しい「旧車」を新車同様に整備復元する作業。奈良トヨタでは平成16年、顧客の依頼で昭和37年式「トヨペット・コロナ」のレストアに挑戦して以降、これをグループの主要プロジェクトの一つとして手掛けてきた。
このプロジェクトが今年20周年を迎えるのを機に奈良ダイハツへ声をかけて合同チームを結成し、昨年6月からミゼットのレストアに着手した。1台は「バーハンドルミゼット」と呼ばれる前期型で、もう1台は丸ハンドルの後期型。当時の資料がほとんどなく、メンバーが苦心して部品を新たに作ったり、手探りで既存の材料を流用したりして今年3月に完成させ、車検も何とかクリアした。
今月13日に完成披露イベントが開かれ、集まった関係者らは2台とともに記念撮影したりして楽しんだ。プロジェクト20周年を記念して展示車両によるパレードも行われ、計8台が三重県志摩市まで約200㌔の道のりを疾走した。
「昭和の振動、においに感無量」と両社間の実走に同乗した奈良トヨタの菊池攻社長。「他社車両のレストアは初の試み。今後もクルマを愛する方々の気持ちに応えつつ、整備技術の継承に努めたい」と思いを新たにした。奈良ダイハツの海保力也社長も「なり手が減っている整備士の魅力をPRする良い機会になった」と手応えを話した。
2台は、他のレストア車とともにまほろばミュージアムに展示されている。